以前のブログで中小企業診断士の2次試験に再挑戦します。と書いた、
その後の学習体験談を書いていくシリーズです。
合格体験記ではないので、成功のエッセンスはありません。
しかし、敗者にとってはこれからのために
負けたことを受け入れ、財産にする には重要なことだと思い、書くことにしました。
これから受験される方も、この失敗談から何かを得ていただければ幸いです。
今回は、2023年(R5)の2次試験についてです。
まずは前年(2022)の振り返り
2022年(R4)の2次試験敗退については、上記のブログでも書いたように、
人に会い、動画を見て、観察をして自分なりの気づきを得られたことが
振り返りの大きな成果でした。
ただこれは自分がそう感じただけで、心構えみたいなものでした。
試験というものに対しては、
真に問われていることは同じ。
テクニックではない、診断士としての本当の力を持っているか
が試されている。という底の深さを感じました。
キーワードを盛り込みマス目を埋めていくことは、受験生対策としては
確かに有効だが、それだけでは超えられない壁があるんじゃないか?
ということです。
当時書いたものから一部引用します。※( )は得点
事例Ⅰ(67)事業部制組織と書いたのは、後継者というキーワードに反応してのことだが、規模や与件文からすると機能別組織の方が良かったかも。しかし、別の動画では事業部制組織を正解としている。結局、自分の解答根拠がしっかりしていれば、それがプロの助言といえるのだ。
事例Ⅱ(54)お肉関連記述に感情移入してイキオイで書いていなかったか?思い付きではなく、与件文に向き合い深く考えたうえで知識を基に助言する。解答ではなく、本質をつかみ助言するという姿勢で向き合おう。
事例Ⅲ(67)苦し紛れのDRINKで乗り切った感じしかなく、これではプロとしての助言に程遠い。因果に基づく知識の活用、これこそが介在する価値。そういう助言ができるかを、見られているのだと思う。
事例Ⅳ(45)生産性の指標に混乱し最後までそれを引きずってしまった。足切り回避できたのはおそらく得点調整のおかげ。なおさら悔しいし、ここであと7点取れていたら…あの状況と自分の実力ではこれが精いっぱい。「取れるところは取る」の範囲を広げて確実性を高めよう。
事例Ⅲまでは何とか食らいついていましたが、事例Ⅳで崩れて合計233点でした。
あと7点を重ねるため「事例Ⅳを好きになる努力をしよう」とも反省で書いていました。
2023年の学習計画
こうした振り返りを受けて、2023年10月末の2次試験に向けた学習計画を作りました。
方針はこの2つです。
①知識を増やし、他者の視点で答案を見てもらうことで分かりやすい答案を作る
②事例Ⅳとのつきあいを良くする
①知識を増やし、他者の視点で答案を見てもらうことで偏りをなくす
独学では思考が偏り、キーワード詰め込み型の答案に流れていきそうな予感がしました。
そのため、
他人の目で見てもらえる添削で、偏りなく誰が見てもわかりやすい答案を作る
独学では得られない知識を得る
ことを目的に、いろいろと検討した結果、TBCにお世話になりました。
早期割引キャンペーンによる値下げ効果も大きかった。
基本的な流れは、
毎月送られてくるオリジナルの事例問題を解いて締め切りまでに提出。
すると翌月に、添削されたPDFが自分のアカウントにアップされます。
添削が戻るまでの間に、問題と一緒に届く解説DVDを見ながら
自己チェックをして最初の復習。
さらに、翌月の添削が届くタイミングで講評動画がアップされるので、
それも見て復習。
と、しっかり復習できる仕組みでした。
特に山口先生のDVD講義は緩急自在。100分近い講義も全く退屈しません。
YouTubeでも、無料講義動画が上がっているのは、視聴された方も多いと思います。
あれも無料というのは十分すごいことですが、DVDはさらに濃い。
完全オリジナルの予想問題は、狙われそうな論点を扱っており、
知識の習得はしっかりできました。課金した甲斐がありました。
直前期には模擬試験もあり、点数が伸びてきたので手ごたえも感じていました。
余談ですが、私の答案が解説動画で「もう一息答案」として紹介されました。
自分にしかわからない、いい経験でした。
ただ、これは使う自分の問題だったのですが、頼りにしすぎてしまいました。
そのため、見えていない点があったのではないか。
これが敗因だと今は思っています。
②事例Ⅳとのつきあいを良くする
「事例Ⅳ対策に良い」と聞いていたので、簿記2級の勉強を始めました。
1次試験の財務会計も、簿記未経験での挑戦でしたが、
ふくしまさんのYouTubeを見て基礎を叩き込み、滑り込みで60点クリアできました。
そんなレベルでしたから、2級の勉強は非常に険しい道のりでした。
当初の予定では、2次試験の追い込みに入る前の7月合格を目標にしていましたが、
基礎的なところを行ったり来たり、学習は予定通り進まず、7月受験を断念。
2次試験後に受験することに決め、夏以降は事例Ⅳの学習にシフトしました。
しかし、簿記の試験を受験しなかったとはいえ、
その後事例Ⅳの問題を見ても既視感のような安心感をもって
臨めるようになっていました。
事例Ⅳを過剰に意識しなくなったので、やはり効果はあったと思います。
試験の感触と、再現による振り返り
当時書いたものから、一部を引用します。自分に向けて書いたものなので
「ですます調」ではありませんが、ご容赦ください。
事例Ⅰ
A社とX社が出てくる「2社構成」にまず戸惑いを感じた。
実は経営統合というテーマだったが、それを完全に見誤り、関連知識もなく、
当たり障りのない、付け焼き刃の解答で埋めてしのいだ。
与件文中で、X社社員の不安・退職の動きに下線を引いていたのに、
解答に使えていなかった。
特に第3問、なぜ使わなかったのかが分からない。大きく外した。
論理的でなく、思い付きで書いていたから再現度も低い。
今年は落ち着いて臨めたが、そこに穴が潜んでいたような80分間であった。
事例Ⅱ
終盤の細かな段落区切りに「読みにくい文章だ」というエゴが出て、
素直な読みができなかった。
さらに、野球用品というなじみの分野(草野球経験者)で、
昨年の精肉店と同様、余計な感情が混じってしまった。
その結果、第4問では長男の強みを生かすことと、監督との関係づくりについて
ほとんど触れない解答が出来上がっていた。
頭の片隅において書いたつもりだったが、再現答案を読み返すと
意図が伝わったとは思えない解答になっていた。
事例3
設問の切り分けを誤った。
さらに、型通りの「マニュアル化」だけで締めて中途半端。
型を持つのはよいが、それを使えたことだけで安心してしまった。
与件文に対しても、予想問題や過去問演習を通じて、
事例Ⅲならではの「型」というものを勝手に感じていたようだ。
その意味で、今年の問題は書き方の傾向が変わったような印象を持っていた。
初見対応力の弱さ、本質的な読み取りができていなかった。
事例4
簿記2級の学習を続けてきたおかげで生まれた「慣れ」がいい方向に出た。
問題文の長さに惑わされず、小さな計算過程で加点を積み上げ、
記述は一通り書き込んだ。
第2問の(1)は分かりにくい問われ方で、不親切だなと思いながらも
実務でもこういう場面があるかもな…と考えながら丁寧に取り組めた。
そして、不合格という結果を受けて
2024年1月に届いた結果は
事例Ⅰ(57)、事例Ⅱ(55)、事例Ⅲ(53)、事例Ⅳ(60)の合計225点。
2022年に続いて240点に届かず、不合格でした。
簿記2級の学習成果か、事例Ⅳが合格点に達したことはうれしい半面、
残り3科目はすべて前年より得点が落ちていた。残念でなりません。
(その後、簿記2級の試験は2024年2月に合格しました)
何がいけなかったのか。
振り返りはしたものの、この分析は本当に的を射ているのか。
2回続けて落ちたのだから、根本的なところから違うんじゃないか。
もっと突き詰めるため、鷺山先生のブログで紹介されていた、
先生とのオンライン学習相談(無料)に申し込み、
1対1でお話をする機会をいただきました。
事前に再現答案と得点を提出し、先生に見ていただいたうえで面談に臨みました。
結果は、目から鱗でした。
経営の視点が不足していることをズバリと。対面だから重みが違います。
経営学に関する知識は、スタディングで学んだ企業経営理論のテキストがベースでした。
2次試験に関しては、
「ふぞろい」やTBCの課題で取り上げられたポイントを継ぎ足しで対応してきた
という、今思うとプロの助言とは言い難い、とても浅い内容でした。
原因を明確にご指摘いただけたことは、
恥ずかしさより、霧が晴れたようでした。晒してよかった。
さて、2次試験が2年続けて不合格だったので
2024年(R6)は1次試験からの再出発、7科目の学習が必要です。
2次対策も並行すべきでしょうが、その前に根本的な課題として、
ご指摘いただいた経営学について、これを機に学びなおすことを決めました。
次回へ続く。
お読み頂き、ありがとうございました。
ふくちよ
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