子どもと一緒に行った図書館で、
ふと『西遊記』が目に留まったことがきっかけでした。

西遊記といったら、
悟空:巨匠
三蔵法師:夏目雅子
モンキーマジック:ゴダイゴ
の世代である。(知らない人多いでしょう)
さて。
パラパラと中をめくりながら、挿し絵を見て
幼いころに夢中になって見ていたあのドラマの妖しさ
(当時は妖怪とかメイクが怖かったけど、怖いもの見たさも)
を思い出し、ワクワクしてきた。
そして、今まで「三蔵法師一行が天竺へお経を取りに行く話」
としか知らなかったことがとても残念に感じて、
子ども向けなら読みやすいだろう、と自分用に借りてきた。
予想通り、
あの妖怪(牛魔王や金角・銀角)はこんな姿だったのか!
猪八戒や沙悟浄はこうして仲間になったのか!
芭蕉扇(ばしょうせん)はこんなアイテムだったのか!
など、昔の記憶にリンクして面白く読めた。

これは今回読んで初めて知った事だが、
三蔵法師の旅はざっくり書くと、天竺にいるお釈迦様が
「唐の僧に、こっちへお経を取りに来させなさい」と
観音様を唐の国へ使いに出したことから始まる。
ところが史実では、三蔵が自ら密出国して
旅を始めたそうだ。
孫悟空・猪八戒・沙悟浄なんてお供はいないし、
観音様はお使いなどしない。
また、巻末の解説にあるように、
一行の旅は地理的にメチャクチャなルート
らしい。けど、気にしない。気にしない。
これはおとぎ話だからいいんです!
さらに、おとぎ話だから
妖怪だけじゃなく、仏教界やら天上・地上の神様達が
バンバン出てくる。
彼らの術も、川を凍らせ、天気を変えるくらいは当たり前。

山を動かして悟空の頭に落とす。という荒業まで出てくる。
そして悟空は筋斗雲に乗ってどこへでも飛んでいく。
水中の神様の宝物をいただいたり、
かつて大暴れした天上の世界では、
難敵を倒すサポートを神様にお願いしたりもする。
やることなすこと、スケールがでかい!

とにかく読んでいる間じゅう、
想像力は筋斗雲のごとく飛びまわる!

原本は長編だが、この本は子ども向けのダイジェスト版とはいえ
物語のポイントは押さえてある。
だから見せ場の連続でテンポよく楽しめました。
例えば、昔読もうとして挫折した名作は
子ども版で再チャレンジするのもアリ。
と気づいたのは収穫でした。
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